<<第23回:【住宅業界】施工現場での住宅メーカー社員の仕事・住宅の引き渡し【仕様書・施工現場・完了検査・施主検査・登記手続き・建物決済】
リフォーム会社・部門の仕事内容【現場を訪れ調査・採寸からスタート】
メンテナンスやリフォームの専属の会社と住宅メーカー内のメンテナンス・リフォーム部門では、それぞれ特徴が異なります。ここではそれぞれの役割や仕事内容を解説していきます。
リフォーム部門の従業員の仕事内容
住宅メーカー内のリフォーム部門やリフォームに関する子会社には、「自社で建築した建物に対してのみメンテナンスやリフォームを行う部隊」と「自社以外にも販促活動・営業を行う部隊」があります。後者の業務内容は専属のリフォーム会社と同じであり、営業と現場監督の両方を行うマルチタスクなケースが比較的多くなっています。
一方で、大手リフォーム会社や部門では営業と監督が分業になっている場合が多いです。また大型リノベーションを扱うリフォーム会社や部門では、設計や仕様を提案する専属のプランナーを雇っているケースもあります。リフォームのみを行う場合は、外部委託するケースは少ないです。
プランナー
改築に関して設計や仕様をする職能。一般に建築士が行うが、改築の程度によっては建築士の資格が不要の場合もある。
マルチタスクなリフォーム会社の社員
営業が必要なリフォーム会社・部門では、顧客から問い合わせがあると、まずは現場を訪れ調査・採寸からスタートします。それから調査・採寸結果をもとにプランや見積りを提示します。
契約後は現場職人の仕事に移行し、工程の段取り、商品の発注、職人の手配を行います。工事中は現場にくり返し足を運び、職人の管理を行い、完成後に引き渡しをする流れとなります。リフォーム会社社員の基本的な流れは新築の監督とほぼ同じです。
住宅メーカーのメンテナンス・リフォーム部門でもっとも大きな特徴が、自社の願客の定期点検があることです。建築10年後・20年後に定期点検を行い、メンテナンスが必要な箇所を確認して見積りとして提示します。見積り通りにメンテナンスをしないと延長保証ができないため、高い確率で受注ができます。
調査・採寸
建設する場所の周辺の調査や建物の測定などをすること。現地調査ともいい、設計計画を進めるために行う。
住宅メーカーのリフォーム部門とリフォーム関連子会社の特徴
リフォーム会社の社員の仕事内容
住宅メーカー社員に求められる人材と能力【想像力と自己プロデュース力】
人口減少などの影響により建築・住宅市場が日々衰退していく中、各住宅xーカーは生き残りをかけて懸命に戦っています。その中で今、必要とされる人材や能力はどのようなものなのでしょうか。
絶対的に必要な能力は高い想像力
住宅メーカー社員には営業、監督、設計などさまざまな仕事に分かれていますが、共通して必要な能力が「想像力」です。まず営業においては顧客の求めている要望や、求めている情報など、コミュニケーションにおける想像力が必要となります。また、住宅の構造などを立体的に理解し、かつ顧客に対して説明をする必要もあります。
現場監督も同様の想像力が必要不可欠です。各職人に対して説明する上で、より具体的な立体イメージを頭で描けていないといけません。設計士やコーディネーターなども同様です。
この想像力においては上司や先輩がコツを教えられるものではありません。自身で何度も考え想像し、鍛えていくものなのです。顧客の気持ちに寄り添い、責任感を持って真剣に考えていけば自然に身に付いていくはずです。
専門性と自己プロデュース力
次に必要なのが専門性と自己プロデュースカです。近年住宅メーカーは競合との差別化を図ろうと、さまざまな努力をしています。
またIT化が進む中、とくに営業は仕事が減少してくる可能性があります。企業だけでなく、従業員にとっても他者との差別化が必要になってきているのです。
とはいえ、顧客や会社がまったく必要としていない専門性や知識があっても意味がありません。自身の専門性や強みを意欲的に学び、求められているニーズとマッチさせる自己プロデュースカが重要になります。
IT化
情報処理や通信に関する技術を取り入れること。インターネット上での集客やビジネス用のチャットツールが普及した影響から、飛び込み訪問やテレフォンアポインターを用いた営業方法は徐々に減退している。