第25回【住宅業界】住宅メーカー社員の2種類のキャリアパス【実力の営業部と信頼の工事部】

<<第24回:【住宅業界】リフォーム会社・部門の仕事内容・住宅メーカー社員に求められる人材と能力【プランナー・現地調査・IT化・自己プロデュース能力】

住宅メーカー社員の2種類のキャリアパス【実力の営業部と信頼の工事部】

住宅メーカー社員のキャリアパスは主に営業部と工事部の2種類に分かれています。それぞれの役割や特徴・必要スキルはまったく異なるため、部門間での異動はほとんどありません。

営業部は実力主義

住宅メーカーによってやや異なりますが、基本的には入社後、店長補佐(副店長または係長)、店長(課長)、エリア長、部門長という流れで進んでいきます。

平均すれば入社後3~5年前後で店長補佐、6~8年前後で店長といったキャリアパスになります。とくに店長までは、営業成績によって変動が激しいのが営業部の特徴です。

店長から上のキャリアに関しては、営業成績よりも管理能力が優先されます。ただし、マネジメント能力そのものが評価されるというより、各店舗やエリアなどの営業成績のよし悪しで評価されることが多いです。

このように営業部においては、実力主義の住宅メーカーがほとんどです。その分住宅メーカーの営業職は別業界からの転職に対して門戸は広くなっています。

営業の場合、何よリコミュニケーションスキルや顧客のニーズや気持ちを察する想像力がより重要視されます。

営業成績

個人またはチームなど集団の販売実績。住宅メーカーでは、新築住宅の着工契約数やリフォームの契約数などが評価の対象になる。

管理能力

自身が統括する集団の営業成績向上において求められる能力。業務の進捗管理や組織運営、人材育成などを通して組織を監督する。

工事部は信頼度重視

現場監督や点検部隊のキャリアパスについては、売上など数字的な評価ができる指標がほとんどないため、営業と正反対となり実力主義とはなりません。

まずは住宅における専門知識の量によって評価が決まってきます。次に必要なのが職人をしっかりと管理して質の高い施工を行うことや願客に対して十分な説明を行うことなどが挙げられます。クレームを発生させず満足感を提供できる人、つまり信用度の高い人が評価されるのです。

一流営業マンは年間2億円以上売り上げる

住宅メーカーの世界では、1人で年間10棟以上や、売上では2億円以上の販売成績を収めるとトップセラーと呼ばれー流営業マンとして扱われます。この数字は入社して2年~3年目で到達する人もおり、継続して年間7~8棟以上の成績を収めることで早ければ3年で店長に出世する可能性があります。逆に営業成績が悪いと、10年経っても店長補佐に昇格しないケースもあります。

営業部のキャリアパス

営業部のキャリアパス

工事部のキャリアパス

工事部のキャリアパス

工事部のキャリアパス

値引き合戦の真相

顧客を選びながら購入の背中を押す

新築の見積りを見ると必ず「値引き」という項目があります。車などの高額商品でも同様ですが、住宅業界においても値引きが当たり前になっています。これは特性というか「文化」といってもよいでしょう。住宅という人生でもっとも大きな買い物ですから、どうしても契約直前に腰が引けてしまう人が多い中、「少しでも背中を押す」という意味で値引きが存在し、この文化はずっと残っているわけです。

しかし、逆をいえば住宅業界の値段はすべて「値引き」を加味した定価設定になっています。住宅そのものの価格はもちろん、キッチンやトイレなどの水回りのメーカー希望小売価格も一部を除きそうなっています。つまり、住宅メーカーに限らず、さまざまな建材や設備メーカーが、購入者に対していかに「お得に見せるのか」を念頭に置いて定価設定をしているのです。

もう1つこの値引きが住宅メーカーや不動産にとって大きなメリットをもたらしています。それは「顧客を選べる」ことです。注文住宅の場合、実はメーカー側の従業員だけがどれだけ頑張ってもよい家は建ちません。施主側の顧客が住宅メーカー側にしっかりと歩み寄ることがよい家の前提となります。しかし、顧客が自分本位で協力的でもないと、時間だけが無駄になり、今度はほかの顧客に迷惑をかけることになります。もしも契約前にその顧客が自分本位で進めるタイプとわかったら、値下げしないことで契約にいたらないようにできるわけです。また、土地や中古住宅の売買においても同様で、質の悪い顧客の場合、周囲への悪影響があるため、値引きしないことで遠ざけることができます。

もしも皆さんが住宅業界に勤務している、またはこれから働こうとしているのでしたら、自社の商品や自分たちのサービスにしつかりと誇りを持ち、値下げに頼らず販売していくことが企業全体のプラスになることを念頭に置いておきましょう。

>>第26回:【住宅業界】強いつながりを持つ住宅メーカーと設備メーカー・住宅業界全体を支える設備・建材メーカーの分類【自社開発・設備メーカー・建材メーカー】

TOP