<<第25回【住宅業界】住宅メーカー社員の2種類のキャリアパス【実力の営業部と信頼の工事部】
強いつながりを持つ住宅メーカーと設備メーカー【共同戦線を張る】
設備や建材のメーカーにとっての顧客は、実際に商品を購入する住宅メーカ一です。また施主が自社製品を選択することもあります。住宅メーカーと施主、どちらも大事な顧客なのです。
設備の9割以上は専門メーカーから仕入れる
住宅を建てる際、住宅メーカーや工務店は設備や建材の9割以上を、それぞれの専門メーカーから仕入れています。大手住宅メ一カーではオリジナルの設備・建材を自社開発していることもありますが、その割合は1割にも満たないのです。
つまり、住宅メーカーや工務店は設備や建材メーカーの商品開発力や宣伝力などに大きな影響を受けているのです。
そのため、設備や建材メーカーには住宅メーカーへ手厚い営業をしています。また、ときには商品を顧客に丁寧に紹介してもらえるように勉強会を開くなどします。
逆に住宅メーカー側も、たとえばメーカーのショールームに行った顧客に、「あの住宅メーカーはお勧めですよ」と太鼓判を押してもらえればプラスになります。
つまり、住宅メーカーと設備や建材メーカーはパイプが強ければ強いほど相互にメリットがあるため、共同戦線が取れるように努力をしているのです。
自社開発
自社の商品やサービスの開発を自社内で行うこと。社員の技術力の向上やコストの削減などのメリットがある。
パイプ
企業と企業の横のつながりや人脈のこと。住宅メーカーと設備・建材メーカーはとても近い距離感にあるため、パイプが強いほど仕入れや宣伝において、直接的なメリットを生む。
設備・建築メーカーの仕事相手
住宅メーカーとのパイプ
住宅業界全体を支える設備・建材メーカーの分類【日々、技術力で他社と競う】
住宅は非常にたくさんの設備・建材で構成されています。また、それぞれの設備や建材を作っているメーカーは多数あり、技術の面において日々競合しています。ここでは設備・建材メーカーの分類について解説します。
設備メーカーの分類
設備とは「建物などに備え付けられた機器」を指します。住宅設備とは厳密には「電気・ガス・給排水・換気・冷暖房・消火・排煙などの機器」を指しており、建築基準法で定められています。
つまり、住宅設備とは電気・ガス・水道などで動く機器のことを指すわけです。
まず主要な設備といえば水回りの設備が挙げられます。トイレ、ユニットバス、洗面化粧台、キッチンが該当します。
これらの水回り設備を作るメーカーは、たとえばキッチンだけ作っているということはなく、ユニットバスも洗面化粧台も含め、複合的に作っているメーカーがほとんどです。
そのほか、「給湯・ガス・IH」「換気・冷暖房」「照明器具」など、分野ごとにさまざまなメーカーがあり、技術を競い合っています。
水回り
住宅の中で、台所や浴室、洗面所などの水を使う場所のこと。ライフラインに直接関わる場所であるため、毎日使っても故障しない丈夫さや、常に快適に使用できる衛生管理が求められる。
建材メーカーの分類
住宅建材の意味はその名前の通り、「建築する上で構成されている資材・材料」を指します。厳密には上記解説した設備も建材の一部ではありますが、住宅業界では「設備」「建材」で分けることが多いです。
建材のメーカーを分類すると、「サッシ・建具・床材」「断熱材」「屋根、外壁材」「クロス」「カーテン」「畳、襖」などが挙げられます。
その他、建築で使用する金物のメーカー、石膏ボード、モルタルなどの下地材メーカーなど、多種多様なメーカーが存在し、住宅業界全体を支えています。
断熱材
物理的に熱伝導率の低い資材のこと。断熱材を利用し、建物の外側と内側の熱移動を遮断することで、外の気温が室内に伝わりにくくなり、「夏は涼しく、冬は暖かい」という快適な住宅環境を作ることができる。
設備メーカーの分類
建材メーカーの分類
建材 | メーカーの一例 | 建材 | メーカーの一例 |
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サッシ |
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クロス |
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断熱材 |
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カーテン |
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屋根 |
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畳・襖 |
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