屋根工事の内容と屋根の種類や構造【セカンドハウスやDIY住宅】
住宅構造の中で重要な屋根。防水・防風など必要不可欠な役割を担っています。ここではその屋根に関わる専門業者、また屋根工事の流れや屋根の種類について解説していきます。
屋根工事の流れ
屋根工事にもっとも関わるのは屋根の専門業者です。屋根の防水シートや屋根材の設置などが屋根専門業者の主な仕事です。また、屋根には軒や破風(はふ)などを設置することがあるため、大工や板金業者も絡むことがあります。
屋根業者には、屋根施工のみを行っている会社もあれば、屋根と外壁の施工を兼ねている会社もあります。また、屋根と板金の両方を兼ねている場合もあります。
屋根のタイプや形状によって屋根施工の流れは大きく異なりますが、おおよそ3~4日程度の工期となります。ここではもっともオーソドックスな木造住宅の屋根施工の流れを解説します。
まず、大工が施工した野地板と呼ばれる屋根の下地の上に、屋根専門業者がルーフィングと呼ばれる防水シートを敷きます。防水シートは雨が内部に侵入しないようにするための二次防水の役割があり、ルーフィングは非常に重要な施工です。
ルーフィングの上からスレート材やガルバリウム鋼板などの仕上げ材を施工して完成です。
破風とは
切妻屋根の山形部分の名称。破風(はふ)に使用する板を破風板という。耐風、耐雨性能を持つほかに、屋根裏へ延焼を抑える効果もある。
スレート材とは
屋根や外壁に使用される建材。天然素材である粘板岩を加工する「天然スレート」が主流だったが、希少ゆえに価格が高いため、現在は繊維素材を混ぜたセメントを加工する「化粧スレート」が普及している。
ガルバリウム鋼板とは
亜鉛、アルミ、シリコンをメッキした鋼板。日本では1982年に生産が始まり、耐久性やサビに強いことから高い人気を誇る。
屋根材の種類
屋根といっても一般的な傾斜のある屋根と陸屋根と呼ばれる平らな屋根があり、それぞれ使用する材料が異なります。
一般的に、昔からある日本瓦・西洋瓦などの瓦屋根と、近年主流になっているスレート屋根、メンテナンスに強いガルバリウム鋼板などを用いた金属屋根が使われています。
陸屋根の場合は、バルコニーの防水と同じで、FRP防水、シート防水、ウレタン樹脂防水、金属防水などに分かれています。
屋根工事に関わる業者と工事の流れ
屋根材の種類
外壁工事の内容と外壁の種類や構造【建物の耐久性を上げる】
新築におけるサイディングなどの外壁施工は、専門の外壁業者が設置するのが一般的です。外壁業者は外壁施工だけを専門としている場合と、屋根と外壁を兼用している場合があります。
外壁工事の流れ
外壁材は種類によって施工が異なります。ここでは現在もっとも主流なサイディングの施工について流れを解説していきます。
まず、大工が設置した建物の外周部の構造用面材の上に、屋根と同様に防水シートを貼り付けていきます。これは外壁業者、大工どちらかが施工します。
この防水シートも屋根と同様に建物内部に湿気が入らないようにするもので、建物の耐久性にも関わるのでとても重要な建材といえます。
これ以降は外壁専門業者の施工です。まず、防水シートの上からサイディング材を引っかけたり、打ち付けたりするための金具や胴縁(どうぶち)を設置します。その後にサイディング材を設置します。
最後にサイディング材とサイディング材の間をコーキング処理して完了となります。
サイディング
日本では1990年代以降に主流となった外壁材、またはその貼り付け工程。窯業系、金属系、木質系、樹脂系の4種類がある。工場で板状に成型した建材をサイディングボードと呼ぶ。
通気工法で空気の通り道を作る
外壁の防水シートとサイディング材の間に金具か胴縁(どうぶち)を設置します。このとき必ず一定の隙間を空け、空気の通り道を作る施工を通気工法といいます。
ここで隙間を作らないと、外壁の中に室内からの湿気が入り込むことで壁内結露を引き起こしてしまいます。
結露が発生すると、壁内の木材が腐ってしまい、建物の耐久性が低下したり、カビが発生し健康被害につながったりします。
また、この外壁通気工法では、透湿防水シートを使用することで、壁内の湿気を外部に放出しやすくなります。近年はこの外壁通気工法が一般的になっています。
外壁工事の種類と流れ
カビを発生させない通気工法
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