ITを取り込む住宅メーカー【SNSを利用したコミュニケーション】
近年、住宅業界でもIT化が進んでいます。InstagramやLINEの普及により、集客方法にも顧客とのコミュニケーションにも大きな変化が生まれました。IT化の流れは今後ますます加速していくでしょう。
集客方法の変革期
住宅メーカーの集客方法といえば、テレビCMやホームページで興味を持ってもらい、住宅展示場公園のモデルハウスに来てもらう、というのが一般的でした。しかし、近年ではSNSが普及したので、InstagramやLINEなどで集客を図る住宅メーカーが増加しつつあります。
少しずつではありますが、バーチャル展示場を開始する住宅メーカーも登場してきました。モデルハウスの3D画像で360度見渡せるようになっていて、住宅メーカーによってはVRにも対応しています。
おそらく、この先、AIシステムも導入され、住宅商品に関しての質問をすれば自動的にAIが答えてくれるようになるなど、もっとIT化が進むことでしょう。
バーチャル展示場
インターネット上で物件の内覧ができる展示場のこと。昨今のデジタル化に加え、コロナ禍の影響により2020年時点で多くの住宅メーカーがバーチャル展示場を開設している。
AIシステム
ソフトウェアを使って人間の知能を機械化したシステム。チャット対応以外にも工程管理、劣化診断など幅広く活用されている。
コミュニケーションのIT化
住宅メーカーの営業マンはSNSを活用して顧客と気軽でスムーズな情報共有を行っています。
また2020年のコロナの影響もあり、近年ではオンラインで商談・打ち合わせを行う住宅メーカー・工務店・リフォーム会社が急増しています。顧客とのコミュニケーションにおいて、今後さらにITが進んでいくのは間違いないでしょう。
コミュニケーションのIT化は顧客だけではありません。近年、住宅メーカーでは工事の施工管理専用のチャットアプリを使い始めています。現場監督・職人・顧客のコミュニケーションを1つのシステム上で行い、図面や工程表など複雑なコミュニケーションを円滑化しているのです。
ITを使った集客の効率化
ITを使った集客の効率化
IT化による社外・社内コミュニケーションの効率化
IT化による社外・社内コミュニケーションの効率化
個人の営業スタイルも差別化が必須
正しい情報をもとに適切に信頼を勝ち取る
今後、住宅業界もIT化が進み、Alの活用が進むはずです。そうなればおそらく営業マンの価値がだんだんと下がっていく可能性が高いでしょう。ほとんどの住宅メーカーでは営業マンをもっとも多く雇用している状況ですが、その営業マンの比率は減っていくと想定できます。
そのような未来が高い確率でやってくるのであれば、現在、住宅営業マンの方や、今後、住宅営業マンになってインセンティブで稼ぎたいと考えている方は、決して住宅メーカーや工務店の差別化戦略に頼りきったりせず、自分自身もほかの営業マンとの差別化を考えて営業スタイルを確立していく必要があります。
たとえば、ほかの営業マンが持っていない資格を取得するのも1つの方法です。そのほか、私の知っているトップ営業マンは自身でブログを開設し、それを営業ツールとして使っていたので私も参考にしました。今の時代ここまではできないかもしれませんが、施主の家族全員の誕生日を覚えておき、その日に訪問してメッセージカードを届けるトップ営業マンもいました。顧客のプラスになるのであれば、どんなスタイルでもよいと思いますが、このような差別化は必須になるでしょう。
住宅メーカーではさまざまな差別化を図っています。営業マンはそのメーカーの差別化ポイントや強みを主体に営業トークを展開していくのが基本です。しかし、業界全体的に性能が向上してきて、かつインターネットで簡単に情報が手に入る時代なので、強みのアピール自体が無意味になってきている節があります。今求められている営業能力は、正しい情報をもとにいかに適切に信頼を勝ち取るコミュニケーションを行い、かつ顧客の期待や要望をしっかりと読み取る力です。
ほかの営業マンと差別化を図りつつ、このようなコミュニケーションを図る力をしっかりと付けていけば、営業マンとして市場価値は高まり、AIにも負けることはなくなるはずです。