第38回:【住宅業界】安全に暮らせる住宅に必要な外構工事の内容と流れ・建物内部の最終段階であるクロス貼り工事の内容と流れ【外構工事・外構業者・土留め・オープン外構・グロース外構・木巾木・ソフト巾木・漆喰壁・内装工事・内装業者・墨出し】

<<第37回:【住宅業界】専門の電気業者が行う電気工事の手順や内容・専門の水道業者が行う水道工事の内容と流れ【電気工事士・水道工事・分譲地・電気配線・LAN配線】

安全に暮らせる住宅に必要な外構工事の内容と流れ【防風・遮音やプライバシー保護を担う】

外構とは、門・駐車場・庭・植栽など、敷地内における建物周辺のすべての構造物を指しています。安全な生活空間を維持するために重要な機能を持つ外構は、外構業者によって施工されることがほとんどです。

外構工事の5つの役割

外構工事はデザイン性の意味合いだけでなく重要な機能が5つあります。それは「プライバシーの保護」、「車などの保護・駐車スペースの確保」「防犯」「防風、遮音」「敷地境界の表示」の5つです。

とくに建物の間取りや仕様などによって機能が果たせない場合には、外構でその機能を補います。たとえば建物のリビングを開放的にしようとして、開口部である窓を広くとればとるほどプライバシーが保護できなくなります。そのときにフェンスや植栽などを用いて外構を整えて補っているのです。

外構工事の内容、範囲とは

外構工事は一般的な敷地の場合、おおよそ1~3週間ほどかかります。注文住宅の場合は住宅メーカーの引き渡しが完了してからの工事を行います。

外構工事の範囲は広く、多岐にわたり、ブロック・フェンスなどを設置したり、高低差がある敷地では土留め(どどめ)やスロープを施工したりします。門扉・門柱・表札・インターホン・ポストはほとんどすべての戸建てで必要になります。また、車を所有している場合には駐車場やアプローチも必要です。施主の希望がある場合、デッキやテラス・植栽の整備や水栓や外部照明などの電気工事も外構業者が行います。そのため外構業者はマルチな知識が必要となります。

また、外構は主に「オープン外構」「クローズ外構」「セミクローズまたはセミオープン外構」の3つの種類があります。敷地を塀でどれだけ囲うかという基準をもとに分類されています。

土留めとは

高い土地に建てられた住宅においてコンクリートや石などで土を打ち留める工事。災害時などに低い土地へ土砂が崩れ落ちるのを防ぐ役割を持つ。

オープン外構とは

道路との境界線を工夫して圧迫感のない敷地作りをした外構。塀や門などのかわりに花壇や樹木、駐車場などを使用する。開放感のある外観やガーデニングを好む人に需要がある。

外構工事の5つの役割

外構工事の5つの役割

外構工事の5つの役割

外構工事の内容

外構工事の内容

外構工事の内容

建物内部の最終段階であるクロス貼り工事の内容と流れ【専門の内装業者が対応する】

建物内部の仕上げは内装工事です。内装工事のでき栄えで施主に対する印象が大きく変わるため、内装業者の技術はとても重要になります。ここでは内装工事について仕事の種類や範囲、流れを解説します。

内装業者の仕事の種類や範囲

新築戸建てにおける内装工事はおおむねクロスと床のビニールシート貼りがメインとなり、専門の内装業者が対応します。床の仕上げに関して、木のフローリングは大工が行います。

一方で、たとえばトイレや洗面室などのシートは内装業者が施エします。なお、木巾木は大工仕事の作業ですが、住宅によってはソフト巾木の設置を内装業者が対応することもあります。

「内装工事」というくくりでは、畳・カーペット貼りやカーテンの設置、タイルや漆喰壁などの左官も該当します。ただ、それぞれ専門の業者が対応するため、住宅業界において「内装業者」というとクロスや床ビニールシートを施工する業者を指すのが一般的です。

漆喰壁とは

消石灰が原料の塗り壁材。埃・ゴミの付着や多湿化を防ぎ、経年劣化しにくい。

巾木とは

巾木(はばき)とは、床面に接する壁の下部に取り付ける部材で、装飾及び汚れやすい壁下部の保護を目的とする。木材だけでなく、石材、タイル、金属、合成樹脂なども用いられる。

内装工事の流れ

新築の場合、内装業者は図面を確認して、指定されているクロスやクッションフロア(CF)などの必要数を発注します。実際の現場においては、大工工事や水道・電気などの配線工事が完了してから作業を進めていきます。

最初に、水平位置や中心位置を下地に表示する「墨出し」という作業を行います。クロスやCFには模様があるため、貼るときに模様が傾かないようにするため必ず最初に行います。

その後、天井・壁・床の下地の壁の角、石膏ボードの隙間、段差、ネジのくぼみなどにパテを埋めてクロスなどが下地の凹凸をひろわないように平らにしていきます。次に、設備・水道・電気業者とコンタクトを取りながら施工場所の順序を決めていきます。パテが乾いたらクロスやCFを貼って完成となります。

墨出しとは

建築現場に工事の基準となる水平線・中心位置を示して配置確認をすること。

内装業者の仕事の種類

内装業者の仕事の種類

内装業者の仕事の種類

内装工事の流れ

内装工事の流れ

内装工事の流れ

>>第39回:【住宅業界】行政や施主による住宅の検査と主なチェック項目【建ぺい率・容積率・検査済証・擁壁・完了検査・施主検査・建築確認】

TOP