断熱性能や価格、独自性が重要な断熱材の主なメーカー【特徴に合った製品を選ぶ】
近年の住宅は高断熱・高性能化が進んでいるため、断熱材そのものの性能や価格が重要視されています。そのため住宅メーカーは、どの種類の、どのメーカーの断熱材を使うべきか、慎重に選んでいます。
断熱材の種類
断熱材はたくさんの種類があり、「繊維系」と「発泡プラスチック系」の2つの系統に分類することができます。
「繊維系」はグラスウールやロックウール、「発泡プラスチック系」は硬質ウレタンフォームやポリエチレンフォームなどがあります。「繊維系」はガラスなどを主原料としており、低コストで高い断熱性があるため、日本ではもっともポピュラーな断熱材となっています。防火性にも優れ、防水加工も施されています。一方で、湿気に弱く水分を含んでしまうと断熱性能が落ちてしまうデメリットがあります。
「発泡プラスチック系」はプラスチックや石油などを主材料としており、素材の中に細かい無数の気泡を閉じ込めることで、断熱材としての機能を発揮しています。繊維系よりも高コストではありますが近年急速に人気が上昇してきています。住宅メーカーは種類豊富な断熱材の中から、断熱性能や価格、他社との差別化などを計算に入れて、最適の断熱材を選択しています。
防水加工
とくに繊維系グラスウール素材は湿気に弱い。断熱機能を発揮させるためには、外部との隙間を埋め防水加工を施す必要がある。
断熱材のメーカーは膨大にある
断熱材の種類はたくさんありますが、それぞれの断熱材を製造しているメーカーも複数社あるため、ここでは有名なメーカーを一部だけ紹介していきます。
「旭ファイバーグラス」は、グラスウール製造の国内最大手です。低価格でありながら高い断熱性能を持っことが特徴です。「旭化成建材」は薄い厚さで高い断熱力を発揮するネオマフォーム(フェノールフォーム)という断熱材を製造し、旭化成ヘーベルハウスのオリジナル外壁材に利用されています。
ネオマフォーム
表面に髪の毛の太さほどの微細な気泡が開けられている。空気の流入を最小限にすることで、内部の熱を失いにくい機能を備えている。
断熱材の素材による分類
断熱材の有名メーカーと種類
メーカー | 種類 |
---|---|
旭ファイバーグラス | グラスウール |
旭化成建材 | フェノールフォーム |
マグ・イゾベール | グラスウール |
デュポン・スタイロ | 押出法ポリスチレンフォーム |
カネカ | 押出法ポリスチレンフォーム |
耐久性や軽さが重要な屋根や外壁材の主なメーカー【高いシェアを維持し市場を独占する】
屋根や外壁材はさまざまな種類の製品と製造メーカーがあります。住宅メーカーは仕入れコストを抑えるため、標準仕様の屋根材や外壁材を絞り込み、顧客の希望に応じて対応する形態をとっています。
屋根材の種類と主なスレート材メーカー
屋根材は大きく分けて、瓦・スレート・金属系があります。近年では瓦屋根は大きく減少し、スレート・金属系が主流となっています。とくに低価格で軽く、耐久性が高いスレートが標準仕様であり、オプションで金属屋根が選ばれることもあります。
スレート系の屋根材は、屋根材の最大手であるケイミューがシェアを独占しています。ケイミューはクボタとパナソニックの住宅外装建材部門が統合して設立した会社で、クボタグループとパナソニックグループの両方に属しています。
また、ケイミューはスレートだけでなく、金属系の屋根材や外壁材も作っており、それぞれが高いシェアを維持しています。
外壁材の種類とサイディング材メーカー
外壁材はサイディング・タイル・塗り壁の3つに分けられます。サイディングとは耐火性や耐久性に優れていながら軽い素材で作られた外壁用の板材の総称です。また、サイディングは窯業系や金属系などさらに細かく分類できます。
近年、新築ではタイルや塗り壁は大きく減少し、低価格で軽く耐久性の高いサイディングが主流になっています。一方、リフォームを行う場合は、新築時の窯業系サイディングから金属系サイディングに変更し、使用されることが多くなっています。
サイディング材では、ニチハがトップシェアですが、屋根材で紹介したケイミューも2番手のシェアとなっています。ニチハはケイミューに負けず分らず高品質で低価格な商品を提供しており、サイディング材の継ぎ目であるコーキングを目立たなくする独目の工法を兼ね備えています。
窯業系
セメントやレンガを製造することを窯業という。窯業系は、金属系に比べて耐火性やデザイン性が高い。
金属系
窯業系に比べて断熱性が高く、耐用年数が長い。一方で傷が付きやすく、錆びやすいため、定期的なメンテナンスが必要となる。
コーキング
緩衝材としてタイルやサイディングボードの継ぎ目などを埋める処理。サッシ周りや、浴槽と壁の隙間などを埋め、劣化・剥がれ・雨漏りを予防する役割も持つ。