<<第26回:【住宅業界】強いつながりを持つ住宅メーカーと設備メーカー・住宅業界全体を支える設備・建材メーカーの分類【自社開発・設備メーカー・建材メーカー】
トイレやバスルームなどの主な水回りメーカー【機能や価格が重要】
トイレや洗面化粧台などを作っているメーカーに関しては、知っている人も多く有名なメーカーが揃っています。新築に限らずリフォーム用にも多数販売されています。ここでは水回りメーカーについて紹介します。
水回り設備3大メーカー
まず、トイレ市場において有名なTOTOは長年シェアNO.1の実績を保持しています。続くのはLIXILやパナソニックです。この不動のトイレ3大メーカーは、ユニットバス・洗面化粧台・キッチンなど、水回り設備全般を販売しており、それぞれ高い販売実績を誇っています。近年、ほかのメーカーの参入はありません。
TOTOの特徴としては、トイレの販売実績NO.1と企業の長年の歴史が挙げられます。とくに陶器の汚れにくさや質感に定評があります。ユニットバスなども含めて世間からの信頼度は高く、価格を下げることなくシェアを維持しています。
LIXILはTOTOより低価格で水回り設備を提供しています。また、商品のラインナップや機能が充実しています。
パナソニックは陶器ではないオリジナルの有機ガラス素材を開発し、独自路線で戦っています。また、家電と結び付けた商品や豊富なカラーバリエーションを持つデザイン性が高い商品など多様なラインナップを展開しています。
陶器
セラミックの一種で、土を練り固めて焼いた焼き物。衛生的で耐久性にも優れている。TOTOでは、陶石や粘土、長石などの20種類以上の原料を組み合わせて、製品を焼いている。
有機ガラス素材
透明なプラスチックでできたガラスのこと。水を弾き、表面に汚れが固定しにくいため、陶器よりもメンテナンスがしやすい。さらに、金型を使った生産が可能であるため量産がしやすいというメリットもある。
水回り設備の主なメーカー
顧客ニーズを把握して強みを活かすキッチンメーカー
トイレなどのほかの水回り設備と比べて、シェアや販売実績が異なるのがキッチンメーカーです。キッチン設備においては本体だけでなく、ガスコンロ、IH、レンジフードなど作っているメーカーが異なるのです。
キッチンシェア3強のメーカー
キッチンのシェアを独占しているのがLIXIL、タカラスタンダード、クリナップの3強メーカーです。
LIXILはトイレやユニットバスなどと同様の戦略を取っています。さまざまな価格帯のラインナップを取り揃え、顧客ニーズの高い機能を充実させています。
タカラスタンダードはホーロー素材にこだわり、ユニットバスと同様に耐久性の強いキッチンをウリにしています。
クリナップはもともとステンレス流し台の先駆者で、ステンレスといえばクリナップというほど強いイメージを持つメーカーでした。現在は人工大理石の人気が急上昇したことで、やや路線を変更しつつも、これまでと変わらず質の高さを追求しています。
ホーロー素材
鉄やアルミニウムなどの金属の表面にガラス質の釉薬(ゆうやく)を高温で焼き付けたもの。ホーロー素材は、鉄の強さとガラスの美しさを合わせ持ち、湿気や油汚れにも強いため、水回りの製品に適している。
ステンレス流し台
ステンレスは腐食に対する耐性を持つため、流し台の素材として最適。クリナップはステンレス流し台の先駆者であり、「採用したい建材・設備メーカーランキング2020 (日経木ームビルダー2020年12月号掲載)」のシステムキッチン部門において、3年連続で1位を獲得するなど、その技術は住宅のプロからも評価されている。
独自性を打ち出すキッチンメーカー
上記の3つのメーカーにシェアは劣るものの、独自性を売り出しているメーカー、パナソニック、TOTO、トクラスを紹介します。
パナソニックのキッチンは、やはり家電を活かした展開をしています。とくに高性能なレンジフード、IH、食洗器とセットでの販売が強みです。またトイレなどと同様に軽くて頑丈で汚れにくい有機ガラスを天板に採用しています。
TOTOはトイレなどと同様に質感を重視しつつ、節水性能が高いものを提供しています。清潔感を維持できる機能を備え、充実したラインナップを展開しています。
トクラスは近年急激に伸びてきました。人気が高まっている人工大理石をブラッシュアップし、低価格で高級感のある天板をウリにしたことから販売数が伸びています。