<<第22回:【住宅業界】注文住宅の引き渡しまでには部門間での連携が重要・インテリアコーディネーターの仕事【建築確認申請・竣工・地鎮祭・着工・引き渡し・地盤改良工事・ヒアリング・ショールーム】
施工現場での住宅メーカー社員の仕事【くり返し顔を出し施工状況を確認する】
建築現場ではさまざまな専門の職人が出入りして工事が進んでいきます。その職人や施工のスケジュールを管理するのが住宅メーカーの社員、主に現場監督の仕事となります。
施工現場にくり返し顔を出す
1つの施工現場に対し現場監督が必ず1人担当しており、施工中は繰り返し現場に顔を出します。多くの場合、1人の現場監督が複数の施工現場を同時に複数個所管理しています。そのため、毎日現場に顔を出すのは難しいこともありますが、要所を抑えて必要なときに現場の確認が取れるようにスケジュールを組んでいきます。
住宅メーカーによっても異なりますが、営業も現場に顔出すことがあります。実際に施主との仕様決めの打ち合わせに参加している営業は、施主の要望通りに工事が進んでいるのかを確認しています。
また、社内設計士が現場を訪ねるメーカーもあります。営業や社内設計士が高い頻度で顔を出す住宅メーカーは現場の施工にカを入れているといえます。
施工現場で行う現場監督の仕事
監督の施工現場の業務は多岐にわたります。まずは施工現場で行う職人への指示出しが基本です。図面や仕様書だけではわからない部分や、間違えそうなポイント、細かい施主の要望などは現地で口頭説明が必要になります。また施工状況を確認しながらスケジュールの再調整も行います。
トラブルが発生すれば当然スケジュールの調整や天候によって調整が必要な工事もあります。
大きな遅れが発生した場合は、別会社の職人にヘルプを出して予定通り完了できるように調整するなど、現場全体の統括を行います
仕様書
構造や建材の品番、工事範囲など図面では表せない内容をまとめた書類。国土交通省作成の「公共建築工事標準仕様書」を参考に作られることが多い。
現場監督が確認するポイント
ちゃんとした現場監督は施工現場の整理整頓・清掃を徹底します。これは、事故や施工ミスが発生しないようにするためです。また、施主が見学に来たときに不快に思わないように、職人たちのマナーについても指導や教育を行います。施主にとってこのようなポイントを押さえている現場監督は安心でき、住宅メーカーの教育が行き届いているかを見極める指標になります。
施工ミス
ビスの打ち間違いや、サッシの隙間など施工中に発生する瑕疵のこと。
施工現場に赴く社員
施工現場で行う現場監督の仕事
引き渡し現場での住宅メーカー社員の仕事【法律の厳守を念入りに確認】
工事が完了し、施主に建物を引き渡す前には完了検査、施主検査、建物決済、登記手続き、引き渡しというように業務が集中します。その中で現場監督や営業がそれぞれの業務に対応しています。
重要な完了検査と施主検査
引き渡し前に、まず行政が行う「完了検査」があります。建築確認申請で提出された図面や配置図の通りに建物が作られているのかを確認します。この検査で行政は不正がないか、建築基準法などの法律を厳守しているのかを念入りに確認します。
図面通りになっていないことがあれば指導が入り、許可証は発行されません。その場合は是正後に再検査を行います。
施主検査は名前の通り、施主が完成した建物を検査します。依頼した通りの仕様になっているか、傷など仕上りに問題がないかを確認します。ここで問題があれば引き渡しまでに是正することになります。施主がこの検査で承認してしまうと、あとから不備があっても文句はいえません。そのため、現場監督だけでなく、施主側にとっても重要な検査となります。
決済から引き渡しまで
決済とは、建物の工事代金の残金を支払う手続きのことを指します。決済が完了しない限り引き渡しはできません。多くの場合、施主は住宅ローンを利用します。そのため、決済は銀行の融資係と施主、住宅メーカーの営業で行います。また同時に登記手続きも行うため、司法書士も同行することになります。
各検査、及び決済・登記が完了すればいよいよ引き渡しです。引き渡しでは監督から各設備の使い方やメンテンナンス方法などの説明や施主検査での是正箇所の修正確認が入ります。また今後の定期点検やアフターフォローなどの解説、鍵の譲渡が行われ、書類にサインをして住宅の引き渡しに関するすべての業務が完了となります。
メンテナンス
長期間快適に過ごす環境を維持するため、不具合がでた箇所を修繕すること。修繕には、クロスの張りかえや床の腐食部分の交換、外壁の塗装などがある。
建物を引き渡す前の5つの仕事
>>第24回:【住宅業界】リフォーム会社・部門の仕事内容・住宅メーカー社員に求められる人材と能力【プランナー・現地調査・IT化・自己プロデュース能力】