もっとも多くの人員が配置され顧客のサポートを行う営業部門【顧客を最後までサポートする】
多くの住宅メーカーの中でもっとも従業員が多いのが営業です。他の業種であれば商品を販売・契約までの仕事がほとんどですが、住宅メーカーの場合、契約後のほうが仕事量の割合が多いこともあります。
契約までの営業の仕事内容
昔の営業は飛び込み営業やチラシのポスティングが主でした。しかし、現在では営業スタイルは大きく変わりました。
住宅展示場の集客は、住宅展示場の運営会社がインターネットやSNSを活用し行っています。そのため、基本的に営業はモデルハウスに来た人に住宅商品や予算などの説明を行います。
住宅展示場の来場者が住宅メーカーを気に入った場合、そこから見積書やプランを提示して、契約へと進んでいきます。ただ見積書・プランを提示するまでには、顧客が家を建てる土地の採寸や調査を行う必要があります。
また、顧客の要望をヒアリングし、設計士に土地の情報や要望をもとにプラン作成を依頼します。住宅ローンの事前審査手続きの手配も行うこともあります。
住宅は大きな買い物なので、顧客はすぐに購入を決断できません。購入に対する不安を払拭するために、さまざまな比較検討資料を作成して提示した上で、ようやく契約に結び付くのです。
見積書
購入予定の商品やサービスの金額などを概算した書類。予算の設定や競合他社の価格帯と比較する資料となる。
住宅ローンの事前審査手続き
金融機関が住宅購入者の返済能力を審査するための手続き。事前審査通過後に土地や住宅の契約が行われ、本審査へ移る。
契約後から引き渡しまでの営業の仕事内容
住宅メーカーの場合、契約後、工事は現場監督に引き継ぐことがほとんどです。しかし、引き継ぐ前には設計士やインンテリアコーディネーターとの打ち合わせを手配し、ブランや仕様を確定させていく必要があります。また、建築確認申請のために建築設計事務所に委託するなどの細かい手続きも行います。
工事については現場監督に引き継ぎますが、住宅ローンの手続きや登記手続きなどにおいては、引き渡しまで顧客をサポートするのも営業の重要な仕事です。
営業部門の昔と今
1つの案件にかかる営業の仕事の流れ
企業の成長に関わり品質の鍵を握るアフター部門【顧客の信用に直接関わる】
どの業界においても、販売したあとのアフターサービスは企業の成長を左右する重要な要素です。住宅業界にとっても必要不可欠な要素です。そんなアフターサービスを担う部門はどんな業務を行っているのでしょうか。
アフター部門の2つの役割
アフター部門といっても大きく異なる2つの役割があります。1つは住宅販売後のトラブルや困りごとに素早く対応するために設けられた受付センター。もう1つは住宅販売後に定期的な点検などを行う点検部門です。
前者はコールセンターとなっており、たとえば大手住宅メーカ一の場合は24時間対応受付をウリにしていることもあります。後者は1カ月、半年、1年などの定期点検を行う部門です。
2種類のアフター部門はどちらも重要な役割ではありますが、とくに点検部門の役割は重要です。実際に完成した住宅を訪れ点検を行います。どんなメーカーの住宅であっても、建具の動きが悪くなったり、クロスに空気が入ったりすることはあります。
点検部門は、直せるものはその場で修理します。また、リペア職人などを手配して対応することもあります。顧客の不満や信用に直接関わる業務である以上、非常に重要です。
また、住宅の不具合や顧客の不満などがあれば、担当した営業や監督にしっかりと伝達して連携を取ることも大切な業務です。
クロス
建物内の天井や壁に最後の仕上げとして張る内装材。素材はピニールや紙、織物、木質系などがある。
リペア職人
住宅の修理や修復をする職人のこと。床や扉、家具、フローリングなどの損傷や変質した箇所の修復を行う。
企業の成長に直結するアフター部門
住宅メーカーの中にはアフター部門に力を入れておらず、従業員数が少ないこともあります。そうなると必然と点検時の対応が悪くなり、顧客の不安につながります。
また、お客様からのクレームや社内の問題点を吸い上げることができないため、企業全体の成長につながりません。住宅メーカーランキングを見てもやはり長年上位を占めるメーカーはアフター部門に力を入れています。
アフター部門の2つの役割
重要な役割を担う点検部隊
>>第22回:【住宅業界】注文住宅の引き渡しまでには部門間での連携が重要・インテリアコーディネーターの仕事【建築確認申請・竣工・地鎮祭・着工・引き渡し・地盤改良工事・ヒアリング・ショールーム】